コップに水が半分入っているとします。
ある人はコップに半分しか入っていないと言い、ある人は半分も入っていると言います。
巷では半分も入っていると表現する人をポジティブシンキングをする人と言うようです。
英語の比較でも同じような表現をすることがあります。
no more than 1,000 yen (1,000しか)
no less than 1,000 yen (1,000円も)
まず確認しておく事実は両方とも持っているお金は1,000円で変わりないという事実です。
これに主観的なmore やlessが加わりnoがそれらをゼロにしてしまうことで1,000円ぴったりとなります。1,000円より下(より上)の金額は含みません。
moreの方は1,000円への上積み額と多いという気持ち(主観)をnoゼロにしてしまうので少ないと感じ「しか」となります。
lessの方は1,000円に足りない額と少ないという気持ち(主観)をnoゼロにしてしまうので多いと感じ「も」となります。
似た表現に
not more than 1,000yen (せいぜい1,000円)
not less than 1,000yen (少なくとも1,000円)
があります。
こちらは数直線で考えるとmoreの方は1,000円より多い金額をnotで否定しているので表現しているのは1,000円以下の金額です。1,000以下の金額のうちとりあげている金額は1,000円ですから上限を言っていることになりそれを否定的に捉えているので「せいぜい」となります。
lessの方は1,000円より少ない金額をnotで否定しているので表現しているのは 1,000円以上の金額です。1,000円以上の金額のうちとりあげている金額は1,000円ですから下限を言っていることになりそれを否定的に捉えているので「少なくとも」となります。
以上は前回書いた=(イコール)と<(不等号)という事実にそれを少ないと感じたり、多いと感じている表現者の主観が加わっています。
比較に客観とか主観とかいう区別を教わった覚えはないという人がいると思いますが、通常比較の中の否定表現としてとりあげられる部分なので私もこのように教わった訳ではありません。単純に「以上」「以下」と捉えても数字の上でのずれはないのですが訳し分けやno more thanとnot more thanどっちがどっちの訳か分からなくなりやすいのでこのような視点で書いてみました。こういう考え方しかできないのではなく、こういう考え方もできるということです。
posted by チーフ at 23:21
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